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映画を酷評するのが大好きな人がいる。その背景に歪んだものとは? [My Opinion]

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映画監督業を始めてから、自作の感想や批評がネットや雑誌等に出るようになった。幸いなことに毎回、大旨は好評なのだが、少数ではあるが批判もある。特にネットでは批判を超えて、誹謗中傷。「よくまあ、そんな感想が書けるねえ?」という酷いものもある。自己陶酔した言葉が続き「お前は誰じゃあ?」といいたくなる。

ほとんどは素人の映画マニアであることが多い。そんな人の文章を読んでいると「俺はちょっとやそっとの作品じゃ褒めないんだよ〜」「私を満足させるにはまだ100年早いのよ!」的なナルシスト・タイプが多い。でも、彼らは特別な存在ではない。僕も映画監督になる前、映画ファン同士では、似たようなことを言っていたからだ。

口の悪い友人は「黒澤明ももうダメだね」とか「キューブリックも引退した方がいいなあ」「俺が監督した方がまだマシだよ」とかよくいっていた。僕も酷いことを言ったいたはず。だが、今考えると「どの口が言うんじゃ」という発言。

では、なぜ、たかだか映画ファンがそんな傲慢な発言をするのか? 例えば映画を観ていて問題点に気付いた。だから、俺はこの監督より優れいてると解釈したり。泣かそうとする演出なのに、自分は泣かなかった。だから、この監督は大したことないと考える(自分の感性が鈍いとは思わない?)そうやって作品の粗を見つけることで、自分の方ができると考える。偉くなった気がする。こうして勘違いが進む。

これは人の悪口でも同じで、他人の欠点を指摘することで「私は違う。あの人より性格がいい」と再確認。「あの子のような失敗はしない」と思えて、優越感を感じる。そんなふうに批判をしていると多くの人は自分の方が上だと思え、悦に浸り、高いところからものをいうようになる。悪口をいうのが楽しいのは、そんな一面があるからだ。

映画マニアにもそんなタイプがいて、評判の映画を批判することが多い。厳しい批判をしている内に「バカはあの程度で感動するが、俺はあんな映画では満足しない。俺はレベルが高いんだよ〜ははは」という優越感に繋げてしまう。

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特にネットの映画レビューを見ていると、評論家や巨匠気取りの人が上から目線で映画を滅多切りしているコメントを良く見かける。「俺はレベルが高いんだぜ!」ということをいいたいのだ。ただ、よく読むと無い物ねだりだったり、重箱の隅を突くものが多い。そんなことで鬼の首を取ったような気分に浸っているものが多い。

では、どんな人がその手の批評をするのか? 多くはまわりから評価されていない人だろう。学校で会社で認められていない。でも、映画はよく見ている。何本も観ていると「俺が監督した方がまだマシ」と思える作品にも出会う。そんなダメな作品を多くの人が喜んでいる。そこから「俺は優れているから、あの程度では満足しない。他はバカだから、あれで喜ぶんだ」と歪んだ解釈をする。

もし、そこで彼が映画監督デビューし、仕事をすれば、そのクズのような作品を撮ることがどれだけ大変か?が分かるが、その手の人は厳しい映画界で働くことはない。おとなしくカタギの仕事をする。だから、その苦労が分からず、上から目線で、無い物ねだりをして、作品を酷評。「俺が撮った方がマシだな〜」と悦に浸るのだ。オタクでよくいるタイプ。

要は欲求不満の解消なのだ。僕も映画ファン時代に近いところがあった。しかし、自分でシナリオを書くようになってからは、「観る」と「作る」は大違いであることを痛感。下手な作品でもなかなか酷評できなくなった。監督業だけでなく、作家でも、漫画家でも、音楽家でも、料理でも、サービス業でも同じだろう。

出来上がったものを批判するのは、もの凄く簡単。そして批判すると自分が偉いと思えてくる。そんなことを考えながら、批評を読むと「あーこの人、友達少ないのかなあ〜」とか「会社で嫌なことあるんだろうな〜」と感じる。不満を映画批評にぶつけているのが分かる。人の悪口をよく言う人も同じに、不満が多い環境にいることが多い。

それ以来、僕も批評するときは、凄く気をつける。悪い部分より良い部分を探すようにしている。批判というのは実は簡単であり、傲慢に陥る危険性のある行為。そんなことをときどき考える。


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コメント 2

aida

非常に共感できる内容でした。
焦燥する気持ちが、この記事を読んで解放されました。
自分の思っている事以上に納得させられた記事でした。

by aida (2017-12-12 06:52) 

inu-kami

最近、凄く考えます。人間って何処に向かってるんだろうって。
記事の内容を拝見して、私は大変心揺さぶられました。
SNSが発展し匿名で投稿ができるようになり、無責任な発言がいたるところで見受けられ、世の中が混沌としているこの現状。
まぁ個人の感想・・・特に誹謗中傷しか言わない方なんてのは言ってることも小学生と同じなので気にしないことを心掛けていますが、そんな人間が増えすぎなんじゃないかと。もしくはSNSなんか無かった時代は、嫌でも他人と直接的な関わり合いを持たなければ生きていけない。だからこそ、他者を認め上手く付き合っていれたんじゃないかと。
文明はどんどん発展していますが、ここで問題なのはそれを構成する人間の精神はむしろ、退化していってるんじゃないかと心配でならない今日この頃です。
by inu-kami (2018-08-10 02:11) 

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